「生産力主義」とは、生産様式との関係を把まないまま、生産手段=機械体系それ自体を客観主義的に自存化-物神化してしまい、その発達を自己目的化することに社会(革命)の発展を見る主張・思想である。
当然にも、この「生産力主義」はスターリン主義が新たに「発明」したものではない。利潤追求を目的とし人をモノとしてしか見ることのない資本家にとってはむしろ常識的な感覚であった。「生産力主義」に「生産力主義」を対置することでは、この「常識」を超えていくことも、ましてこの「常識」に拘束された人々の「心」を変えていくことも到底できないし、敗北は必然だったのである。その生産力主義的限界を前提として、はじめてスターリン主義による「生産力競争」の問題が存在するのである。